20250109

ざっくりながめる今日のニュース

政治・国際関係

石破総理大臣は9日夕方、ことし最初の外国訪問となるマレーシアに到着しました。10日、アンワル首相との首脳会談に臨み、首脳どうしの信頼関係を構築するとともに海洋進出を強める中国も念頭に安全保障分野での連携を図りたい考えです。

伊藤復興大臣は東日本大震災で被災した岩手県の沿岸部を訪れ、引き続き自治体などと連携しながら、被災した人たちの心のケアなどの中長期的な課題に丁寧に取り組んでいく考えを強調しました。

日本製鉄によるアメリカの鉄鋼大手USスチールの買収計画にバイデン大統領が禁止命令を出したことを受け、自民党は「理解に苦しむもので残念だ」などとして、命令の撤回を含めた適切な行動をとるよう日本政府の働きかけを求める決議をまとめました。

任期満了に伴う岐阜県知事選挙が9日に告示され、自民党、立憲民主党、公明党、国民民主党が推薦する元内閣府大臣官房審議官の江崎禎英氏（60）と、共産党が推薦する産業カウンセラーの和田玲子氏（64）が立候補しました。告示日の前日の8日には、日本青年会議所岐阜ブロック協議会が主催する公開討論会が開催され、江崎氏と和田氏が出席し、少子化対策や経済対策について意見を交わしました。

石破総理大臣は、来週中国を訪問する自民・公明両党の幹事長と会談し、中国共産党との政党間交流が7年ぶりに再開するのをきっかけにさまざまなレベルでの交流が活発化することに期待を示しました。

石破総理大臣はマレーシアとインドネシアを訪れるため、9日午前、現地に向けて出発しました。これに先立って石破総理大臣は両国との首脳会談を通じて、東南アジアとの関係強化を図りたいという考えを示しました。

ワシントンを訪れている自民党の菅元総理大臣は、駐日大使を務めたハガティ上院議員と会談し、トランプ政権の発足を前に、日米同盟の維持・強化に向けた協力を確認しました。

アメリカ・ロサンゼルス近郊の山火事では、これまでに少なくとも5人が死亡し、1100を超える建物が焼失するなどの被害を受けました。8日夜になって新たな山火事も発生するなど火は燃え広がり、懸命の消火活動が続けられています。山火事の拡大で「X JAPAN」のYOSHIKIさんなど、ロサンゼルスに住む著名人も避難する事態となっています。

重さ156キロ余り、末端価格にして103億円相当の覚醒剤を大型クレーンの歯車に隠して密輸したとして、メキシコ人の30代の容疑者が逮捕されました。警視庁はメキシコの麻薬組織が密輸に関わった疑いもあるとみて捜査しています。

日本とインドの海上保安機関が横浜市で油などの流出を想定した合同訓練を行いました。訓練にはアメリカとオーストラリアの海上保安機関も視察に訪れ、海洋進出の動きを強める中国を念頭に連携の強化を図るねらいがあるとみられます。

沖縄からハワイへの移民船が到着して8日で125年となったのにあわせてハワイで記念の催しが開かれ、移民の子孫たちが当時の人々の苦労をしのびました。

アメリカのCNNはトランプ次期大統領が同盟国を含む国々に一律の関税を課すために緊急事態の宣言を検討していると報じました。アメリカのトランプ次期大統領が、「メキシコ湾の名称をアメリカ湾に変更する」と発言したことを受けて、メキシコの大統領はアメリカを含む北米地域を「メキシコのアメリカ」と呼ぶのはどうかと冗談めかして提案しました。

経済・金融

9日の東京外国為替市場、円相場は小幅な値動きとなりました。長期金利の上昇が続く中、9日の債券市場でも代表的な指標となっている10年ものの国債利回りが一時、1.185％に上昇し、2011年6月以来、およそ13年7か月ぶりの高い水準となっています。

セブン＆アイ・ホールディングスの去年11月までの9か月間の決算は、アメリカでのコンビニ事業の不振などから、最終的な利益は、前の年と比べて65％の大幅な減益となりました。

キャベツの高値が続いていることについて、JA全中＝全国農業協同組合中央会の山野徹会長は、主な産地が移ることで今後出荷量が増加し、価格が落ち着くという見通しを示しました。

日銀は9日、3か月ごとにまとめている「地域経済報告」を公表しました。追加の利上げを判断するうえで重視している賃金の動向については、人手不足を背景に継続的な賃上げが必要だという認識が幅広い企業に浸透してきていると総括していて、今後の金融政策にどう反映させるかが焦点となります。

9日の東京株式市場、トランプ次期大統領の関税をめぐる政策の不透明感から世界経済が減速するのではないかという警戒感が出て、日経平均株価は一時、500円以上値下がりしました。

中国の先月の消費者物価指数は、前の年の同じ月と比べて0.1％上昇し、11か月連続でプラスとなりました。ただ、上昇率は鈍化していて、デフレへの懸念が依然としてくすぶっています。

東京都心のオフィスビルの12月の空室率は3.6％余りと、4か月連続で前の月を下回りました。専門家は企業の間で、コロナ禍をきっかけに広がったリモートワークを減らし、出社を促す動きが出ていることなどが背景にあるとみています。

社会・スポーツ

プロ野球、パ・リーグで昨シーズン、MVPに輝いたソフトバンクの近藤健介選手が鹿児島県で自主トレーニングを公開し、去年、果たせなかった全試合出場へ意欲をみせました。

2026年のミラノ・コルティナダンペッツォオリンピックの出場をかけたアイスホッケー女子の最終予選が2月北海道で開かれます。大会を前に日本代表が会見し、キャプテンの小池詩織選手が「チームの目標である“圧倒して全勝する”を達成し、一丸となって出場権を獲得したい」と意気込みを話しました。

日本ラグビー協会は用語の一部について、ボールを前に落とす反則の「ノックオン」を「ノックフォワード」に、相手からボールを奪う「ジャッカル」を「スティール」に変えるなどの変更を今後、順次、進めていく方針を明らかにしました。

サッカーのスコットランドプレミアリーグ、セルティックの前田大然選手と旗手怜央選手が8日、ホームのダンディーユナイテッド戦でともにゴールを決め、チームを勝利に導きました。

プロ野球、日本ハムに入団した新人選手たちが、8日から合同の自主トレーニングをスタートさせました。

先月29日までに全国の医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は1医療機関あたり64.39人で、現在の方法で統計を取り始めた1999年以降、最も多くなっています。43の都道府県で「警報レベル」の30人を超え、すべての都道府県で前の週より増加しています。

日本気象協会は、運営する天気予報サイト「tenki.jp」が9日朝から閲覧しづらい状態になっていましたが、夕方ごろに復旧したと発表しました。大量の通信を送りつけるサイバー攻撃を受けたことが原因だとしています。

能登半島地震で、自治体での備蓄が課題となったことを受けて、内閣府が全国のすべての自治体の備蓄状況を取りまとめて、9日に公表しました。段ボールベッドを含む「簡易ベッド」の備蓄がゼロと回答した市区町村は、全国で200余りあり、国は十分な量の確保を働きかけることにしています。

冬型の気圧配置と上空の強い寒気の影響で、東北などで雪が強まっています。10日にかけて特に北陸と新潟県、それに東北の日本海側で積雪が急増するおそれがあり、気象庁は積雪や猛吹雪による交通への影響などに警戒するよう呼びかけています。　

以上のニュースはNHKニュースより取り上げております。ご了承ください。

今日の深掘り

日本製鉄による、米国の鉄鋼大手USスチールの買収計画とは？

買収の意図

1. 米国市場への戦略的進出
 日本製鉄は、USスチールの買収を通じて米国市場でのプレゼンスを強化し、グローバルな競争力を高める狙いがありました。 

＊プレゼンス(presense)とは

特定の市場や地域での「企業の存在感」「市場での影響力」や「地位」を表す場合に使われる

2. 環境技術の獲得
 USスチールが持つ先進的な電炉技術や環境対応技術を取り入れることで、製造プロセスの効率化やCO2排出削減を図る意図がありました。   

3. サプライチェーンの強化
 米国内での生産能力を確保することで、安定した供給体制を構築し、特に米国の鉄鋼需要に対応することを目指していました。 

これまでのプロセス

2024年4月12日に開催されたUSスチールの臨時株主総会において、投票した株主の98％が日本製鉄による買収計画に賛成し、承認されました。 

買収計画は、対米外国投資委員会（CFIUS）の審査対象となり、2024年12月23日（米国東部時間）にCFIUSが本買収に関する判断を米国大統領に委ねました。その後、2025年1月3日にバイデン大統領が国家安全保障上の懸念を理由に買収を禁止する命令を出しました。 

このように、株主の同意を得た後、CFIUSの審査を経て、最終的に大統領が介入し、買収が禁止されるに至りました。

対米外国投資委員会（CFIUS）とは？

外国企業による米国内の買収は、国家安全保障に影響を与える可能性がある場合、米国政府の対米外国投資委員会（CFIUS）が審査を行います。  

CFIUSの役割  
買収が米国の安全保障や経済的利益に悪影響を及ぼすかを審査。必要に応じて、最終判断を大統領に委ねる仕組み。  

米国大統領は、「外国投資リスク審査現代化法（FIRRMA）」に基づき、CFIUSの報告を受けた場合に最終的な拒否権を持っています。この制度の目的は、国家安全保障にかかわる重要な産業や技術が外国の支配下に置かれるリスクを防ぐことです。

 なぜバイデン大統領は禁止したのか？

バイデン大統領が日本製鉄によるUSスチールの買収を禁止した理由は、国家安全保障上の懸念を含めた複合的な要因です。

1. 鉄鋼産業の戦略的重要性  
鉄鋼は、軍事・インフラ・エネルギーなど、国家の安全保障に直接関わる重要産業。米国政府は、国内の鉄鋼供給を外国企業に依存するリスクを回避したいと考えています。

2. 中国との地政学的緊張  

日本製鉄が買収した場合、同社が中国市場や企業と深い関係を持つ可能性を懸念。特に、米中間の技術競争が激化する中で、中国への技術流出リスクを重視。  

3. 経済的自立の維持  
バイデン政権は「Buy American（アメリカ製品を優先する）」政策を推進。国内企業であるUSスチールを外国資本に渡すことが、この政策に矛盾すると判断された可能性。  

4. 国内の政治圧力  
米国内では「外国による買収」に対して慎重な姿勢を求める声があり、大統領としてそれに応える必要があった。  

日本製鉄は、なぜ計画を公表する必要があるのか？

企業が買収計画を公表する主な理由は、株主や投資家への情報開示義務を果たすためです。また、取引の透明性を確保し、関係当局の承認プロセスを円滑に進める目的もあります。

現在の注目ポイント

バイデン大統領の買収禁止命令に対し、日本製鉄は法的措置を検討しており、今後の展開が注目されています。この決定は、日米経済関係や他の対米投資にも影響を及ぼす可能性があり、各方面からの反応や対応が焦点となっています。